救護施設で働く人

生活保護では、居宅保護を原則としていますが、救護施設(保護施設)という施設が設けられています。 なぜならば、住まいや生活に課題を抱えている方の中にはアパートなど住む場所があっても、それだけでは社会生活を送るのが困難があり、 施設入所による支援が必要な場合があるからです。救護施設では様ざまな人が働き、事業を展開し入所者の生活を支えています。 このコーナーではその支援の仕組みをそこで働く人を通じてご紹介していきます。

できる事を少しずつ増やしながら
自立を目指す
旭寮

今井 綾菜さん

長野県 旭寮 5年8ヶ月
職種:管理栄養士

1日のスケジュール
8:30出勤
9:00朝礼・ミーティング
9:15給食メニュー作成、栄養管理
11:25昼食準備
13:30作業支援、調理実習、嗜好調査
17:00夕食準備
17:30退勤

生きがいを感じられる支援を

食事は生活の中で感じる喜びの大きな部分を占めていると思います。施設では「毎日の食事でいかに美味しさを感じていただけるか」をテーマに嗜好調査等をするなど、利用者さんおひとりおひとりが喜びを感じていただけるように試行錯誤を繰り返しています。
日々の食事だけではなく、自立支援においても食事は大切なウェイトを占めますので、少人数グループごとの調理実習を企画し、地域での生活に向けたお手伝いをしています。
また、利用者さんと農作物も一緒に作っています。ご自身で育てた野菜などを食べていただく体験などを通じて食に興味を持っていただけたらと思っています。 食事の準備・提供以外の時間では、利用者さんの作業訓練(企業から内職の仕事等)のサポートも行っています。

利用者さんの笑顔が見たくて

あっという間の5年間でした。前職は給食事業の会社に勤めていましたが、利用者と触れ合う仕事がしたく、探していました。
最初は「救護施設って何?」という感じでしたが、見学すると利用者さんが身近であり就職を希望しました。  
調理実習ではうまくいく場合もあればハプニングもありますが、自分で作った満足感と予想以上の美味しさで皆さん笑顔になります。その笑顔を見ると大変やりがいを感じます。  
まだまだやりたい事が沢山あります。施設には廃止したデイサービスのスペースがありますが、地域へのサロン的な食堂や子ども食堂など、人と触れ合う仕事ができれば、そんな夢を描いています。

地域生活に向けての調理実習
食材を身近に感じる農業体験
作業訓練の様子