全国救護施設協議会 平成19年度事業計画 T. 基本方針  本協議会は、「生活保護制度の在り方に関する専門委員会報告書(平成16年12月)」の 中で、保護施設について機能の整理統合を含め総合的な見直しを検討する必要があるとさ れたこと、また、平成17年10月に法制化された障害者自立支援法により、障害福祉施策に おいて3障害を一元化したサービス提供が行われるようになったことなどから、今後の救 護施設の機能検討等に早急に着手する必要性があるとし、平成18年1月「救護施設の在り 方に関する特別委員会」を設置した。  特別委員会は、救護施設がこれまでに果たしてきた歴史的な役割を振返り、特に施設の 機能に着目して検討した結果、救護施設が担うべき使命は、将来的にも変わるものではな く保護施設として実践してきたセーフティネットと、地域生活移行支援の機能であるとし、 今後、これらの機能を強化して、救護施設の利用を希望する人たちの期待に応えることの 必要性を提案した。  この使命を果たすためには、施設入所機能の充実はもとより、保護施設通所事業や居宅 生活訓練事業など、地域生活移行支援のための事業に積極的に取り組むことが重要である。 地域生活移行支援については、施設利用者個々の事情や環境等の状況により各施設の取り 組み方針も様々であるが、施設内自立、社会的自立を含めて利用者の真のニーズを踏まえ た個別支援計画が必要不可欠である。  また生活保護法の目的である自立助長の考え方に基づいて、生活保護制度に自立支援プ ログラムが導入され3年目を迎え、各自治体で取り組みが一層推進されようとしている。 福祉事務所が他の専門機関と連携して進める在宅被保護者の自立支援に、救護施設も積極 的に参画する努力をすべきである。  上記を踏まえ、全救協としては各地区協議会との連携のもと、今年度以下の事業に取り 組むこととする。 U.事業の内容 1.社会保障、障害福祉施策改革などの動向を踏まえた、将来的な救護施設のあり方につ いて   救護施設の機能や今後のあり方については、「救護施設のあり方に関する特別委員 会」における検討内容をもとに、利用者像や地域のニーズ、将来的な福祉情勢の変化 などを踏まえ、今後の具体化に向けた取り組みを行う。    2.サービスの質の向上を目指した救護施設の機能強化の推進   (1)自立支援の推進     @自立支援プログラムに係る取り組みの推進      ・自立支援プログラム策定・実施状況の情報収集      ・救護施設の参画状況の情報収集と、協力のあり方の研究     A精神障害者の社会的入院解消に向けた取り組みの推進     Bホームレス等社会的援護を要する方の受入れの推進     (2)利用者主体の個別支援に向けた取り組みの推進     @個別支援計画書の普及・活用の推進     A個別支援の展開技術の向上及び各地区研修指導者の養成         (3)地域生活支援を推進するための取り組み     @地域生活支援関係事業(保護施設通所事業、居宅生活訓練事業、居宅生活者シ ョートステイ事業等)への取り組みの推進     A地域生活支援関係事業実施施設連絡会の開催   (4)リスクマネジメント、サービスの質の評価等への取り組みの推進     @リスクマネジメントに対する意識の向上と実践手法の共有     Aサービスの質の評価に対する意識の向上と実践手法の共有 3.全国大会・研修会等の開催   (1)第32回全国救護施設研究協議大会の開催   期 日:平成19年9月13日(木)〜14日(金)   会 場:北海道札幌市「札幌プリンスホテル 国際館パーミル」      テーマ:救護施設の機能強化にむけて   (2)平成19年度全救協経営者・施設長会議   期 日:平成19年4月26日(木)〜27日(金)   会 場:東京都内・全社協会議室 (3)平成19年度救護施設福祉サービス研修会 期 日:平成19年11月21日(水)〜22日(木)  会 場:東京都内・全社協会議室        (4)平成19年度救護施設個別支援計画研修会      期 日:平成19年10月24日(水)〜26日(金)      会 場:東京都内・灘尾ホール、全社協会議室   (5)第33回全国救護施設研究協議大会(東北地区)の開催準備    4.協議会組織の強化   (1)各地区救護施設協議会組織の活動の促進   全国レベルの活動との連携を強化しつつ、各地区協議会における諸活動の円滑な 運営を図る。   (2)平成19年度永年勤続功労者表彰の実施   第32回全国救護施設研究協議大会開会式(9月13日、札幌市)において表彰する。   (3)組織・財政の充実・強化   (4)平成19年度「全救協便覧」の発行 5.広報・情報提供活動の強化   (1)会報『全救協』の発行   制度・施策の動き、本会活動、各地区の動向、救護施設における取り組み事例、 全国大会報告等を全国の関係者に広報するため会報『全救協』を発行する(年3回 予定)。   (2)制度・施策関連情報の提供   制度・施策に関する情報を迅速に提供するために、必要に応じて『全社協障害福 祉部ニュース』等を送付する。   (3)全救協ホームページの充実    全救協の事業や救護施設に関する情報提供、会員施設相互の情報交換等に資する よう、ホームページの充実を図る。 6.制度・予算対策活動の推進 (1)生活保護制度の見直しに向けた対応   生活保護制度の見直しに関連する、保護施設に係る動向についての情報収集を行 い、制度・予算対策委員会を中心に全救協として所要の対応を行う。   (2)救護施設をめぐる制度等の改善および予算要望に向けた対応   救護施設のサービス提供体制の充実、地域生活支援関係事業の推進、退所者の継 続的支援等に必要な制度改善、予算要望事項の検討を行い、実現に向けての活動 を実施する。   (3)心神喪失者医療観察法への対応     動向を注視し、必要な対応を行う。   (4)全国社会福祉協議会・社会福祉制度・予算対策委員会における活動との連携   全国厚生事業団体連絡協議会予算対策委員会を通じて、全社協・社会福祉制度・ 予算対策委員会と連携した活動を推進する。 7.調査研究活動の推進   (1)平成19年度救護施設実態調査の実施   (2)情報収集アンケートの実施と活用    救護施設が行うさまざまな取り組みや、課題を把握するためのアンケートを、  会報「全救協」の送付に併せて実施する。 V.会務の運営 会務を進めるために、以下の会議を必要に応じて開催する。 1.総会の開催  以下により定期総会を開催する。   期日: 平成19年4月26日(木)   会場: 東京都内・全社協会議室 2.理事会の開催   年4回程度開催する。   (第1回) 平成19年4月26日(木)/東京都内・全社協会議室   (第2回) 平成19年9月12日(水)/札幌市・札幌プリンスホテル   (第3回) 平成19年12月7日(金)/東京都内・全社協会議室   (第4回) 平成20年3月7日(金)/東京都内・全社協会議室 3.正副会長・委員長・地区会長等会議の開催  委員会間等の組織内の連携促進を図り、また緊急の課題等に対応するため、必要に応じ 随時開催する。 4.専門委員会の開催  各委員会活動を積極的に推進するために必要に応じて開催する。 (1)総務・財政・広報委員会 (2)制度・予算対策委員会 (3)調査・研究・研修委員会 5.その他必要に応じた会議の開催   (1) 3障害共通によるサービス提供方策の研究(障害福祉部)への参画      障害者自立支援法における3障害共通の理念推進のため、関係種別協議会等      により設置する検討会に参画する。