全国救護施設協議会 平成18年度事業報告 T.事業の内容 1.社会保障、障害福祉施策改革などの動向を踏まえた、将来的な救護施設のあり方に関 する検討 (1) 救護施設のあり方に関する特別委員会において、17年度より継続して検討を行った。 第31回全国大会全体会でその中間報告を行い、第1分科会で中間報告をもとにした 討議、意見交換を行った。そこで出された意見等も踏まえ、さらに検討を行い最終 報告をまとめた。 《委員会開催状況》      第4回(平成18年5月24日)       ・18年度の進め方について       ・救護施設利用者の障害程度区分、日中活動プログラムの調査について       ・救護施設の行う自立支援プログラムについて       ・中間報告について      第5回(平成18年7月26日)       ・中間報告について       ・全国大会第1分科会の持ち方について      第6回(平成18年11月7日)       ・最終報告に向けて(全国大会分科会でのグループ討議を踏まえて)       ・今後の方向性等について更生施設との意見交換      第7回(平成18年12月11日)       ・最終報告(案)について       ・救護施設の参画できる自立支援プログラムについて       ・法人として取り組む事業について       ・更生施設との連携について      第8回(平成19年1月19日)       ・救護施設の参画できる自立支援プログラムについて       ・法人として取り組む事業について 2.サービスの質の向上を目指した救護施設の機能強化の推進   (1)自立支援の推進    @自立支援プログラムに係る取り組みの推進    A精神障害者の社会的入院解消に向けた取り組みの推進    Bホームレス等社会的援護を要する方の受け入れの推進    自治体が作成する自立支援プログラムについては、救護施設もその機能を活用して地域 の被保護者の自立支援の一端を担うことが期待されている。  精神障害者やホームレスの受け入れについては、従来より地域のニーズに応じて受け入 れをしており、地域生活移行などに向けた支援を行っている。そのノウハウを活用し、救 護施設はどのような自立支援プログラムに協力できるか、救護施設のあり方に関する特別 委員会においてプログラム例の検討を行った。  (2)利用者主体の個別支援に向けた取り組みの推進    @個別支援計画書の普及・活用の推進      全国大会第2分科会において、個別支援計画書を活用した実践発表、参加者に よる討議を行い、個別支援計画書の必要性を考えるとともにさらなる普及を図っ た。また、希望施設に対しては計画書の有料頒布を行った。     (完成版頒布数:18年度450部/通算1851部〔含見本181部〕)    A個別支援の展開技術の向上     個別支援計画研修会を実施し、個別支援計画の理解と作成技術の向上を目的に、 講義・演習を行った。     日 時: 平成18年10月10日〜12日     会 場: 全社協 灘尾ホール、5階会議室    参加者数: 152名(未経験者コース70名、経験者コース65名、指導者養成コース17名)      (3)地域生活支援を推進するための取り組み    @保護施設通所事業等の地域生活支援関連事業への取り組みの推進     全国大会第3分科会において、「地域生活支援への取り組み〜施設の機能と社会 資源をどう活用するか」のテーマのもと、保護施設通所事業、施設独自の居宅生 活訓練による地域生活支援について2施設より実践報告を行い、具体的な事業展 開について情報提供を図り、また課題について討議を行った。      (4)リスクマネジメントの推進、サービスの質の評価等への取り組みの推進    @リスクマネジメントに対する意識の向上と実践手法の共有     全国大会第4分科会において、リスクマネジメントに係る実践報告と討議を行っ た。また、会報「全救協」のブロックだよりのテーマを「リスクマネジメントと 施設運営」と統一し、各ブロック内施設のリスクマネジメントについて情報提供 することにより、会員施設の意識向上を図った。    Aサービスの質の評価に対する意識の向上と実践手法の共有     経営者・施設長会議において「福祉サービスの質の向上と第三者評価の活用につ いて」のテーマで講義を行い、第三者評価の必要性・効果等について意識向上を 図った。  また、全国大会第2分科会において、自己サービス評価に係る課題提起があり、 それを受けて参加者による討議を行った。   3.全国大会・研修会等の開催   (1)第31回全国救護施設研究協議大会の開催   期 日:平成18年9月21日(木)〜22日(金)   会 場:福井県福井市「ワシントンホテル」他  主 催:全国救護施設協議会、北陸中部地区救護施設協議会       全国社会福祉協議会、福井県社会福祉協議会   後 援:厚生労働省、福井県、福井市、福井観光コンベンション協会   テーマ:救護施設の新たな展望 〜さらなる機能の拡大にむけて〜    参加者数:608名     内 容:@基調報告「救護施設の新たな展望」             森 好明(全救協会長)        A行政説明「生活保護制度の現状、課題、対応」             福母淳治氏(厚生労働省社会・援護局保護課長補佐)         B分科会           ・第1分科会「救護施設の今後のあり方を考える」           ・第2分科会「利用者主体の個別支援、サービス評価への取り組 み」           ・第3分科会「地域生活支援への取り組み」           ・第4分科会「リスクマネジメントへの取り組み」           ・第5分科会「施設におけるQOL(生活の質)の向上」         C特別報告「生活保護制度と救護施設の史的展開」             岡部卓氏(首都大学東京教授)         D記念講演「信は力なり、人生は出会いなり」             大八木淳史氏(元日本ラグビー日本代表)   (2)平成18年度全救協経営者・施設長会議   期 日:平成18年4月27日(木)〜28日(金)   会 場:東京都内・全社協会議室   参加者:121名   内 容:@行政説明         福母淳治氏(厚生労働省社会・援護局保護課長補佐)         A報告「救護施設のあり方に関する特別委員会報告」           大塚晋司(救護施設のあり方に関する特別委員長)         B討議「今後の救護施設のあり方について」         C講義「福祉サービスの質の向上と第三者評価の活用について」           野崎吉康(全国社会福祉協議会障害福祉部長)             (3)平成18年度救護施設福祉サービス研修会 期 日:平成18年11月15日(水)〜16日(木)      会 場: 東京都内・全社協会議室 参加者: 114名 内 容:@講義T「救護施設を取り巻く他法施策の動向等」         野崎吉康(全国社会福祉協議会障害福祉部長)      A講義U「変革の時代に福祉職員に求められること           〜どのような意識をもち、何をすべきか〜」             津田耕一氏(関西福祉科学大学助教授)      B講義V・演習「支援の質を高めるケースカンファレンス」         中村佐織氏(京都府立大学教授)        (4)救護施設個別支援計画研修会     期 日:平成18年10月10日(火)〜12日(木)     会 場:東京都内・灘尾ホール、全社協会議室     参加者:152名     内 容:@講義T「救護施設個別支援計画書の考え方」           前嶋弘(救護施設における個別支援計画に関する検討会委員)         Aトークセッション「個別支援計画書導入の実際」           岩井亮一(札幌市あけぼの荘 主任生活指導員)           丸山弘治(三谷の里ときわ苑 ケアワーカー主任)           高畠慎司(萬象園 指導員)           守家敬子(救護施設における個別支援計画に関する検討会委員)        B演習「個別支援計画の作成」        C演習のまとめ       (5)第32回全国救護施設研究協議大会(北海道地区)の開催準備     平成19年9月13日(木)〜14日(金)に、札幌市内の札幌プリンスホテルにて開催 することに決定した。 4.協議会組織の強化   (1)各地区救護施設協議会組織の活動の促進   全国レベルの諸活動との連携を強化しつつ、各地区協議会における諸活動の円滑 な運営を図った。各地区大会において全救協より中央情勢報告を行い、また今年度 は統一テーマ(「今後の施設運営や施設機能のあり方について」)の設定を行った。  《地区大会開催状況》   北海道地区  :6月13日(水)〜14日(木)/北海道札幌市   東北地区   :6月14日(木)〜15日(金)/山形県天童市   関東地区   :6月8日(木)〜9日(金)/神奈川県箱根町   北陸中部地区 :7月20日(木)〜21日(金)/石川県金沢市   近畿地区   :6月22日(木)〜23日(金)/和歌山県和歌山市   中国四国地区 :6月1日(木)〜2日(金)/香川県琴平町   九州地区   :7月6日(木)〜7日(金)/鹿児島県鹿児島市   (2)平成18年度永年勤続功労者表彰の実施   第31回全国救護施設研究協議大会開会式(9月21日、福井市)において、74名を表 彰した。   (3)組織・財政の充実・強化     全国大会運営積立金への積立を実施した。      (4)平成18年度「全救協便覧」の発行     便覧を発行し、各会員施設に配布した。 5.広報・情報提供活動の強化   (1)会報『全救協』の発行   制度・施策の動き、本会活動、各地区の動向、救護施設における取り組み事例、全 国大会報告等を全国の関係者に広報するため会報『全救協』を発行した。  《発行状況》    122号(平成18年7月31日)     特集:平成18年度総会報告    123号(平成19年1月5日)     特集:第31回全国大会報告    124号(平成19年3月30日)     特集:新たな時代の社会福祉法人経営の方向性     (2)制度・施策関連情報の提供   制度・施策に関する情報を迅速に提供するために、『全社協障害福祉部ニュース』 を送付した。22回(NO.155〜NO.176)発行。     (3)全救協ホームページの充実    全救協の事業や救護施設に関する情報提供、会員施設相互の情報交換等に資するよ う、ホームページの充実を図った。 6.制度・予算対策活動の推進   (1)救護施設をめぐる制度等の改善および予算要望に向けた対応   平成20年度に向けての制度・予算要望書を平成19年3月28日、厚労省保護課に提出し た。   また、保護施設通所事業について、特例措置の廃止の方針が厚労省から示され意見 を求められたことから、特例措置実施施設の意見を踏まえて要望書を作成し、平成18 年5月22日、保護課に要望書を提出した。   (2)心神喪失者医療観察法への対応     動向を注視し、必要な対応を行う。   (3)全国社会福祉協議会・社会福祉制度・予算対策委員会における活動との連携   全国厚生事業団体連絡協議会予算対策委員会を通じて、連携を図った。 7.調査研究活動の推進   (1)特別委員会、制度・予算対策委員会の検討に資する調査の実施   救護施設のあり方に関する特別委員会の検討の参考資料とするため、調研委員の施 設利用者を対象にした障害程度区分の判定及び、施設における日中活動プログラムの 調査を行った。     (2)情報収集アンケートの実施と活用   救護施設が行う取り組みや、課題を把握するためのアンケートを、会報「全救協」 の送付に併せて実施した。   ・123号に添付「保護施設通所事業等への取組状況について」 U.会務の運営 1.総会の開催   期日: 平成18年4月27日(木)   会場: 東京都内・全社協会議室       2.理事会の開催    (第1回) 平成18年4月27日(木)/東京都内・全社協会議室   ・平成17年度事業報告案、決算について   ・理事の交代について   ・総会の運営について   ・地区大会の共通テーマ等について   ・第31回全国大会の分科会について 他   (第2回) 平成18年9月20日(水)/福井市・ワシントンホテル ・ 全国大会の運営について  ・ 会報「全救協」について ・ 地区大会の共通テーマについて ・19年度制度・予算要望の取りまとめ方法について ・障害程度区分調査について(報告) 他   (第3回) 平成18年12月8日(金)/東京都内・全社協会議室 ・第31回全国救護施設研究協議大会報告 ・20年度予算・制度要望に向けての対応について ・個別支援計画研修会報告 ・救護施設福祉サービス研修会報告 他   (第4回) 平成19年3月9日(金)/東京都内・全社協会議室        ・全国大会運営積立金の18年度積立額について        ・第32回全国大会の内容について        ・平成19年度経営者・施設長会議の内容について        ・平成20年度に向けての制度・予算要望事項について        ・平成18年度事業進捗状況及び補正予算(案)について        ・平成19年度事業計画(案)及び予算(案)について 3.専門委員会の開催 【総務・財政・広報委員会】  (第1回)平成18年6月12日(月)/ 於:全社協会議室        ・第31回全国大会の運営について        ・会報「全救協」の内容等について        ・地区大会の共通テーマについて 他  (第2回)平成19年2月21日(水)/ 於:グランドホテル浜松        ・平成18年度事業進捗状況および補正予算案について        ・平成19年度事業計画案および予算案について        ・第32回全国大会の内容について        ・平成19年度経営者・施設長会議の企画について        【制度・予算対策委員会】  (第1回)平成18年6月19日(月)/ 於:商工会館会議室      ・救護施設関連通知の課題等について     ・19年度予算に向けて     ・20年度予算に向けて 他  (第2回)平成18年12月5日(火)/ 於:尚友会館会議室      ・平成20年度予算に向けての制度・予算要望事項について     ・保護施設通所事業に係る制度改善要望について  (第3回)平成19年2月9日(金)/ 於:全社協会議室      ・19年度事業計画(案)について     ・20年度予算に向けた制度・予算要望について 他 【調査・研究・研修委員会】  (第1回)平成18年6月19日(月)/ 於:商工会館会議室     ・救護施設利用者の障害程度区分等の調査について     ・救護施設福祉サービス研修会の企画について     ・救護施設個別支援計画研修会の企画について 他  (第2回)平成18年9月6日(水)/ 於:商工会館会議室   ・救護施設利用者の障害程度区分等の調査について       ・救護施設個別支援計画研修会 演習の運営について 他  (第3回)平成19年2月8日(木)/ 於:霞山会館会議室     ・平成19年度事業計画案(調研委員会関係)について     ・第32回全国救護施設研究協議大会分科会の内容について 他 4.その他必要に応じた会議の開催    (1) 全国厚生事業団体連絡協議会全国会議への参加      平成19年2月22日(木)〜23日(金)に開催した全国会議(於:グランドホテ ル浜松)に全救協も参加(参加者224名の内、救護施設からの参加者は150名)。